梅の木通信
心の話【S先生の日記】
24 立つより返事 |
昔から諺に「立つより返事」というのがあります。 どうして立つより返事が先なのか、昔からそういう諺があるから、知らず知らずに行っていると言うような 答えが多いようであります。 分かっているようで分からない 立つより返事の本当の意味が分かっていないからであります。 ではどういう意味かと申しますと、先ず「言葉は心と心をつなぐ道具」なのであります。 心と心をつなぐ道具ですから、自分の思い(心)を相手の心に伝えようとして、例えばご主人が 「おかあさん」と(言葉に心をこめて)呼んだとします。 その時おかあさんが、「はーい」と答えると、先ず主人の思い(心)を、第一段階で「はーい」という言葉で 接がれたのであります。 「はい」と合わせる心は水心、「親神」の心になのであります。 第二段階、主人が「○○を持ってきてくれ」と用件を伝える、おかあさんは「はい」分かりましたといって ○○を主人のところに届け、「おとうさん○○これで良いんですね、ここに置きます」すると御主人は 「どうもありがとう」と感謝の心を伝える、「どういたしまして」とお母さんがお父さんの感謝の言葉に応える。 これで一つの目的が達成できたのであります。 自分を中心に考えてしまいますと、これはその時の状況にも依りますが、 「今、何々で手が放せないの」と自己主張して相手の心を切ってしまう、これでは心と心をつなぐことは できません。どんな時でも呼ばれたら 「はい」 と合わせる心の言葉が第一であります。 ですから、立つより返事、これで第一段階の心のつながりができるのであります。 昭和60年12月23日 |