梅の木通信
心の話【S先生の日記】


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12 憎い心について

 人の一生の中で憎しみの心の湧くときは数少ないと思います。
この憎しみの心が強いのが恨み心であり、ともに人間心であります。
こう書きますと読者の皆さんは安心するかもしれませんが、もう少し憎い心を細かく拾って見たいと思います。

例えば、あの人は付き合い憎い人だ、話し憎いいとだ、働き憎い職場だ、敷居が高くて家に帰り憎い等と
よく聞く言葉です。この心使いは皆、憎いという人間心であり、道理の踏み外しの心なのであります。

この心の元は何かと申しますと、俺が我がの「ガ」の心と高慢の心なのであります。
この心は人に合わせて通る水心より、はるかに高い心なのです。
皆さんもこの様な思いをしたことがありませんか?

あの人は付き合い憎い、話し憎い、等「が」の心が強く、自己中心的に考え、他人に合わせる心が
少ないからであります。
こう書いてしまいますと、どんな人でも憎い心を使ったことが無いと、言えなくなってしまいます。

お道では八埃の心と諭されておりますが、その大半は「が」と「慾」の心に端を発していると思います。
この心のない人は一人もいないといっても過言ではないと思います。

憎いと思う心は自分を中心にして相手を見る、又考える心から生まれてくるのでありますから、
この様な心が湧いた時には、胸の神にしっかりお詫びをして胸に手を当てて名号を唱えましょう。
心が平常に戻ったら、それでよいと思います。

ありがとうございます。

                                              昭和60年12月17日