一口馬主日記良馬の日記司馬光太郎


良馬がゆく
トップページへ

1旅立ちの章 2もう一頭の良馬
司馬光太郎
第一話一口への旅立ち

白い稲妻、タマモクロス、葦毛の怪物オグリキャップ、この二頭が熾烈な戦いをしていたころ
私は売れない漫画職人として、日々貧しく悲惨な日々を送っていた。
そんなさなか、同じように当時貧困生活を送っていた従兄弟が、暮れに競馬新聞を
片手に笑顔で私にささやいた。
「今日はこれで久しぶりに上手い酒を飲みにいけるぞ」
自信に満ちた笑顔で従兄弟は一枚の馬券を見せてくれた、枠組みはすっかり忘れて
しまったが、それは中央競馬、年末の締めくくり有馬記念、オグリキャップ、タマモクロスの
決戦の馬券であった、
「見ろ、こんな鉄板レースなのに配当が3倍もついてるんだぞ、買わない手はないだろう」
従兄弟はどこから工面したのか、当時の私達にとっては、とてつもなく大金の3万円もの
金をこの怪物二頭につぎ込み返ってきた所だった。
「信、今日は二人で忘年会だ、ははは」
従兄弟はテレビのスイッチを入れた、

ファンファーレが鳴り響き、そこには二頭の葦毛の怪物がやる気満々の闘志で写っていた。
そしてゲートが開き、各馬一斉にスタート、二人は命がけで戦う競走馬の群れを真剣に
見つめた、そして最終コーナーを廻った所で、するすると他の馬を置き去りに、二頭の
葦毛が飛び出してきた、怒涛のような歓声が湧き上がる中、二頭の葦毛はぐんぐん他の
馬達をまるでロバとレースをしてるかのごとく引き離し、ただただ葦毛の二頭で決戦を
はじめてしまった。
そしてゴール、、一着オグリキャップ、二着タマモクロス、割れんばかりの歓声が中山の
競馬場内にこだましていつまでも、いつまでも鳴り止もうとしなかった。
従兄弟と私は身震いをしながらいつまでもその大歓声を、ききながらブラウン管から
目を離すことが出来なかった。その日の夜、二人して盛り上がった事は言うまでもない。

時は流れ、2003年春、頸椎の病にかかった私は、わらをもすがる思いで、治療法を
探すべくインターネット内をさまよい歩いていた。そして私は一つの闘病記にたどり
着いたのである。そのページはヘルニア闘病記、その管理人さんは私と同じ頸椎症に
かかり手術によって見事に病を克服した方で、その名は苦楽研人氏であった。
私は何度も何度も、研人氏のページを読み返し、研人氏と同じ西島雄一郎医師の執刀を
同年5月に受けたのであった。それから半年後に私が研人氏を研兄いと仰ぐ事になろうとは、
この時は思いもしなかった。

後の研兄い、苦楽研人氏のホームページに大きな影響を受けた私は、私も同じように
闘病記を作り同じように苦しんでいる人の参考になるよう、ホームページを立ち上げて
みよう、術後の病院のベットの中で考え、退院一ヶ月後参考書を片手に悪戦苦闘の末
ページを立ち上げてみた。そしてその報告とお礼の為、研兄いにメールを送ったのだった。
やがて、研兄いより温かい心のこもったお返事をいただいた私は、知らず知らずのうちに
研兄いの人柄に引かれ影響していくようになっていた。

そして研兄いのホームページ、【夢果てなくローマンエンパイア号】を何度も何度も
開いては、読んでいるうちに何時しか研兄いの競走馬への思い入れが、私のなかに
10年近く眠り続けていた、かつての葦毛の二頭による名勝負を思い出させてしまった
のであった。
かつて研兄いがライスシャワーに夢をはせて一口馬主の道に足を踏み入れたように
私も何時しか、オグリキャップ、タマモクロスの血を受け継ぐその子孫達によって、
あの葦毛の闘いの再現を見てみたい、そうした思いが膨れ上がりはちきれそうになって
しまったのであった。

そうした思いを胸に私は、研兄いに一口馬主について興味がある旨を、報告し
ひそかに兄いのページ内に乗っていた、クラブのページに入り込んでいった。
その名は、ターファイトクラブ 早速そこで資料請求をした私はひそかに、カタログが
届くのを待ち焦がれていたのであった。

その間、一口馬主になると、決意した私は研兄いにメールにて数々の相談をし
いっそう心は高まりつつあった。そんなある日、自宅で夕食をとっているさなか、
呼び鈴が我が家に鳴り響いた、
「ついに来たぞ」
私は急いでマンション入口に移るモニタを覗きこんだ、そこには小さな小包をかかえた
シマシマ模様のセールスドライバー佐川急便の叔父さんが私の夢への入口の詰まった
包みを片手に立っているではないか、
「来た、おい、来たぞ、ターファイトからのカタログだー!!佐川急便だ!
セールスドライバーが来たー!」
私は、箸をおいて妻に叫んだ、その光景を見ていた妻が子供にミルクをあげながら、
「早く急いで、迎えないと、佐川の人はセールスドライバーだから走ってくるよ!」
妻が言うには佐川の人はマンションのエントランスから部屋までセールスドライバーだから
走ってくるらしい、私もあわてて玄関にでた、が、どうでも良いが佐川のおじさんは
歩いてきていた。

そして叔父さんから受け取った包みを見ると、まさしく私の夢のぎっしり詰まった、
ターファイトクラブからのパンフレットだった。
ハーモニー、ブラッド、グレースを三冊
、1歳馬、二歳三歳馬と中にはぎっしり、
「私を買ってー、僕は走るよー、いやいや私こそ未来のオープン馬よー」
カタログの中に写る子馬たちはどの子も、私に語りかけてきていた、この子もいい、ああ
この子もいい。私はいっそのこと全部に一口投資したかったが、財政上そうも行かない。
アーたらこーたら言いながら数多い馬に印を付けている姿を、妻がこれはやばいという
目でにらんでいる視線にきずき、私は余裕のポーズをしながら
「ははは、一頭だよ一頭、はじめはビギナーだからな、一頭、心配するなって。」
妻にひきつった顔で笑って見せた、が、その時私の心の中では1年に二頭、男の子と
女の子という大構想が固まっていたのだが、当然大蔵省の妻に話せるわけが無く、
そのときはひたすら、苦笑いをしながらどうやって我が大蔵大臣をこの一口馬主の世界に
引きずり込んでやるか、心の奥底で戦略を練っていた。

兎にも角にも、その晩から私の愛馬選びの楽しい葛藤が始まったのだった。
寝てもさめても愛馬選びのことが頭から離れず、会社でもろくに仕事もせず、ひたすら
悩み続けていた、高い馬と安い馬の違いは何だろう?などと、考え電卓で勝手にいろ
いろな計算もしあれこれ考え、私なりに1歳馬2頭2歳馬1頭、そして3歳馬1頭と心に
きめたお馬さんが現れてきた、ただその間にも迷いはまだあったが、後は一頭だけ買う
ものだと思い込んでいる大蔵大臣の説得だけである。
私はあれこれと策略を練りながらカタログ片手に自宅に返っていった。

自宅に帰ると、泣き叫ぶ3人の幼い我が子と髪の毛を振り乱して葛藤している妻の姿、
私は今は馬の事は話すべきでないと考え、ただひたすら素敵なマイホームパパに変身
妻の夕食の手伝いや掃除、子供が寝静まった後、妻が入浴をしている間に、めったに
した事のない洗い物まで済ませて一人ダイニングテーブルに三冊のカタログと、妻への
いたわりと題した、お疲れサワーにチンチンに冷えたグラスを用意し、にっこり笑顔で
湯上りの妻を待ち構えていた。

「まだ寝てなかったの?あれ、洗い物も良いのに明日やるつもりだったのに、」
髪を拭きながら妻はかなりうれしそうな顔で私に微笑みかけてきた。
「うん、だんだん絞れてきたからな、これ」
私は笑顔で何事も無かった用にさりげなくターファイトのカタログを指差した。
「お馬さん?」
「ああ、結構いい馬がそろっているんだ、お前も撰んでみな、どれがいいか」
「わかんないよ、私には、信ちゃんで決めなよ一頭 」
「うっ!」「一頭?」
さすがは、百戦錬磨のつわもの、私の考えは全て読み込まれているようであった
しかしここで引き下がったのでは、今までの苦労が水の泡、私は苦笑いを浮かべながら
「カタログを開き、今ハーモ二ー世代ではこの子とこの子、グレイスではこの子、それと
ブラッドではこの二頭で悩んでいるんだよな、見てみな」
「1歳の子だけじゃないの?」
妻はカタログを開きながら私の方をチラッと上目で見、笑いながらダイニングテーブルに
腰をおろし、馬の写真を見始めた。
妻のさりげない笑顔、数々の修羅場を潜り抜けてきた私がその妻のさりげない変化を
見落としたりはしなかった。
(いける!今の笑顔は二頭くらいまでなら良いかな、)
まさに、そう訴えかけている、さりげない笑顔だった。私はそこで一気に切り出した
「今の所考えているのは、この子と、この子、あとこの子とか、」
「え、何頭選んでるの?」
「今の所、1年に一頭ずつ、ほら、最近俺お酒とかも行ってないし、せめてこのくらい
楽しみがあってもいいかななんて、思ってんだ。」
「うーん 」
妻は静かに考え始めた、気配はいい感じだが、もう一押ししなければ1年に2頭という
私のノルマに到達できない、そこで私は毎日服用している漢方の煎じ薬を一口啜りながら
鈍いアイキューを回転させながら次の一手を搾り出した、
(これだ!)
私の頭のなかで浮かんだ一手、それは高額馬によるおとり作戦であった。
「この子、ハーモニーのこの子なんだけど良いだろ?でも高いんだよな、どうせ入るなら
二口入りたいけど、それだったら二頭買えるしな、迷ってんだよ、、、」
「この子最初に良いって行ってた子でしょ、、可愛いよね」
妻はカタログを見ながらつぶやいた。
「お前はどの子がいいか撰んでみな?」
「うーん」

何だかんだ言いながら妻もかなり興味があったようで、真剣にカタログとにらめっこを
始めた、がふと一頭の馬に目をとめて
「この子とこの子かな、表情が良いもの」
「どれ、」
私は妻の良いと言う馬に目を通した、はじめの一頭は、あまり感じ入る風でなく興味は
無かったのだが、もう一頭ハーモニー22番の女の子は私自身考えてもいなかったが
言われてみると実に興味のそそる子馬だった。母はソシアルメーカー父はタマモクロス
「タマモクロス? 」
私の頭にまたしても、かつての怪物二頭による決戦が浮かんでしまった。

私なりには別の男の子と正直、高い女の子一口というのが構想の中にあったのだが
その子を見たとき、何か大切なことに気づいた感じがあった、
カタログが届いてからそれまでは、ただ勝ちそうな馬、そればかり考えて親の勝率やら、
そればかり重視して大切なロマンを追い求めるというのが掛けていた。
金儲けや投資でなくこれは、夢を買うんだ。そしてその夢に共に協力するんだ、そう心に
浮かんだとき、研兄いの言っていた、ライスシャワーがすきでその血筋を追い求めた、
という言葉が浮かんだのだった。
「22番、、、、この子良いんじゃないか?気がつかなかったけどタマモの子供だ。」
「そうでしょ、そうでしょ」
自分の選んだ馬が認められてかなり妻は嬉しかったようだった、私は考えてもいなかった
線は細い感じだが、そのタマモクロスの女の子に興味をそそられていた。
(そうだ、ただ勝ちそうな馬だから買ったのでは、何のためにやるのか意味がない、
自分がアイスべき良馬に投資してこそ意義があるのだ、)
その瞬間から私の頭にはタマモとオグリその血筋にかけて、若き日に目の当たりにした
あの光景を再現させたい。出来うることなら、私もその再戦のために協力したい。
そう考えたとき、昨年タマモクロスが今は亡き名馬になってしまっていたのを知った。
(タマモは今はもういないのか?!)

「ねえねえ、何考えてるの、さっきから考え込んじゃって?」
妻の呼びかけで私は現実に返った、私にとって最高の追い風になる一言をとっさに妻に
つぶやいた。
「この、お前の言ってる22番いいな、よしこれはお前にプレゼントしてやる。」
「えー、私に?いいよー」
妻はこの言葉がうれしかったのか、かなりわくわくした様子でハーモニー22番の女の子を
眺めだした、現実に返った私はこの期を逃すはずはない、続けざまに
「さて1歳馬、ハーモニーの一頭は決まったから次は俺の馬だな、」
妻は“えっ”という顔をしていたが私はそしら顔で次の馬選びをとっとと始めていた。
そして二頭目に小柄だがヤンチャで可愛いハーモニー15番の葦毛の一頭を悩んだ末、
撰んだ、理由はいうまでもなくその子の中に、祖父ではあるが今は亡きタマモクロスの
血が流れていたからだった。私はさらに返す刀で、
「さあて、今度は二歳馬グレースだ、」
その時にはもう妻に意見など無く、勢いに任せて話を進めてしまっていた。勝った、私は
妻との闘いに勝利をえた喜びに浸りながら、2歳馬選びに入り、第一にタマモクロスの
子供で男の子、グレース4番タマモクロス、イブキネックレスの子に心は決定していた。
その後、二歳馬をさらさら眺めていたが、妻との勝利に酔った私はその日大切な馬を
見落としたまま、二歳馬選びを保留にし、すぐにレースを見たいとの理由から、思い入れも
何もない3歳馬を撰んで、ターファイトへの申込を、楽しみに布団に入った。

そして翌日、朝から興奮の冷め遣らない私は、10時の時報と同時にクラブへ電話、
研兄いが、メンバーの紹介があると、多少良いということで電話口で研人兄いの
知り合いである事を話したが、紹介の場合先にメンバーからの連絡が必要との事、
私は大急ぎで研兄いにメールにて選んだ馬の説明もあわせて、報告紹介者になって
ほしいと頼んだ、それから兄いのメールが返ってくるまでどれだけ、長かったか、仕事中
なのに何も手に付かず、わくわく、パソコンの下の方にメールが来ると、チロチロ飛んで
くる青い奇妙なメールのマークが表れるのを今か遅しと待ち続けた。

そして5時50分、もう明日か、、、とあきらめかけていた私のパソコンに、チロチロ青い
メールが飛び出した、
「兄いだー」
それは紛れもない、研人兄いからの返信であった。
(クラブには報告しておいた、)
さすがは私が師と仰ぐ苦楽研人兄いだ、素早い
ありがたかった、そして兄いのメールを読み終えて時間を見ると5時58分
まだ、間に合う!受付は6時までだ。
私は急いでターファイトに電話した、電話のベルが鳴り出した、とその時用意してあった
申し込み馬のリストがない?私はあせったがベルはなってしまっている。
やがて、クラブの方が電話に出た。
「はい、ターファイトクラブです 」
私は兄いに紹介してもらった、上野女史という方を呼び出した、
「研人兄いより紹介を受けた者です」
研兄いより紹介を受けたのが数分前だったらしく上野女史は、私のあまりに早い動きに
かなりびっくりしていた。
そして、私が申し込み馬をごそごそ探していた所、逆に上野女史のほうから、私の申し
込もうと考えていた馬をすべて、言い当てられてしまった。
「えっ、なんで?、、、あっ兄いだ!」
さすがは研人兄い、私の希望馬まで報告してくれていたとは、見事一本とられてしまった。
時間が時間なので正式に計算をしてという事で、上野女史とは明日10時に電話すると
いう事でその日は終わった。兄いに申し込んだ内容を報告、やがて研兄いからその
お馬さんたちの近況を送ってもらった、
これまたありがたかった。

その晩、その日の出来事を妻と話し、皆寝に付いたあと、にんまりしながら私は、再び
カタログを眺め始めた、その前に何となく3歳馬をあわただしく買ったけど、じっくり待って
機が熟した頃にレースの方が思いいれも強いし良いかな?などと妻と話していたので
二歳馬を中心にじっくり眺めていた、その瞬間大変な見落とし、夜中の1時過ぎに発見
してしまった。
「母、オグリローマン」
オグリ?オグリキャップの姪っ子じゃないか、私はこのカタログの中にオグリの血筋が
いるなんて考えてもいなかったのだ。
「グレース27番、父デヒア、母オグリローマン、なんでこんな所に」
私の頭の中でタマモとオグリの再戦が光輝きだした。
「この子だ、絶対にこの子だ」
私は夜中だというのに妻に興奮して叫び続けた、
「いたんだ、オグリの血筋が、何で気が付かなかったんだ」
そして私はその日考えていた通り、じっくり待つ構えと、すべて思い入れのある良馬たち
で絞る為3歳馬はキャンセル、その旨翌日10時の時報と共に上野女史に報告
見事タマモクロスとオグリキャップに関連のある4頭立てで一口馬主業界に打って出る
事になったのだった。。。。。つづく


 トップへ

司馬光太郎
きっかけは、私が苦楽師匠の薦めによって接地した掲示板への、ある方からの
書き込みだった。
今では兄のような存在のその方の名はaristo氏、インターネットをやっていれば
九州では知らぬものなしという貴公子のaristo氏が苦楽師匠を通じ、
私の出来たばかりの掲示板に丁寧な書き込みを入れてくれたのだ。
頸椎術後体験談においても先輩であるaristo氏へ私の方からいつかご挨拶したいと
思っていた矢先の出来事で正直同様を隠しえない私だった。
しかし、このaristo氏とのコンタクトがまさかもう一頭の馬に出資するきっかけを
作る事になろうとは、はじめは皆、思いもよらなかった。

aristo氏ともすっかり打ち解けた私は、氏とariさん、光ちゃんと呼び合う仲になるまで
には長い時間は必要としなかった。そしてそのときすでに私とariさんは苦楽研氏をともに
研兄いと呼び、三人で親睦を深めていった。
そんななる日、一口馬主にはまり、4頭の良馬に出資していた私は軽いジョークで
ariさんの掲示板やメールに「いい馬がいますよー」なんて、書き込んでいた。
しかしそんなさなか、ariさんの元には、私以上にariさんを一口馬主の世界に
引き込ませようとする誘い、そして名馬の存在があったのだった。

その存在こそ他でもない研兄いと、兄いの愛馬ローマンエンパイア号だったのだ。
研兄いとローマンに見せられているariさんが一口馬主道に入るまではそう長い時間は
いらなかった
研兄いの薦めで一頭出資する事に決意、しかし、そこで研兄いより一つの出た案が出てきた。
せっかくだからみんなで一頭応援せんか、そして三者で分担してその馬の活躍を見守ろう、
私も断る理由が無いどころか、大賛成でその話にのったのだった、しかし問題は我が妻に
どう説明するか、その日からまたまた私と妻との闘いが始まるのだった。

数多い条件を踏まえた上で、研人氏が出した案は、私がすでに所有しているG4に研兄い
、そしてariさんが乗ってくるか、それとも全く別に一頭の候補馬に新たに三者で出資するか
だった。
結果G4に関してはタマモ産駒とあって活躍も時間がかかると予想、早期デビューを睨んで
全く別の馬を選択する事に決定した。
その名はG(グレイス)24、もしも、もしもこの馬が現代に生れていたらどれほどの
活躍をした事か当時外国産馬ゆえの苦労の末、故障、早期引退の道をだどった実力馬、
リンドシェーバーを父に、そしてかのローマンエンパイアの母ローマステーションの子で
自身も中央で3勝をあげた実力馬ターフメビウスを母に誕生した牡馬、
この子に賭けてみようと決定した。

話が決まってからの3人衆の盛り上がりは凄まじいものだった
寝てもさめてもG24の話題でもちきり、まるですでにG1を取ってしまったのではと
勘違いするくらいの盛り上がりだった。
しかし、その影で私には一つの大きな悩みが膨らみだしていた。そうまさに我が妻へ
どうこの決定を切り出すか、、、あれこれ悩んでも前回4頭というビギナーとしては途方も無い
出資を了承させた直後、私にはG24をどう切り出せば良いのか糸口が全くつかめなかった。

つづく